高校の頃 演劇部だった
秋に文化祭とコンクールがあって
夏は毎日のように学校に行って舞台の準備や練習をしてた
思い出深い作品が高校2年の時に演った
「闇に咲く花」
ひょっこりひょうたん島の原作者
井上ひさしさんが描いた
終戦直後の東京を舞台にした悲喜劇
舞台は戦争の爪痕残る神社
戦時中は兵隊に送り出す場所であったその神社は、戦後は近所の戦争未亡人達が集い
神社の主と一緒に闇物質の調達拠点となっていた
そこに戦死したと思われていた神社の一人息子・健太郎が帰ってきたところから物語がはじまる
野球選手として期待の星だった健太郎は召集され、南方の地へ戦死したと思われていた
彼が生きて戻り、父親や元バッテリー、近所の人たちの喜びもつかの間
思いもよらない戦犯容疑で追われる身となる
その理由は、
南方の地で原住民とキャッチボールをしていたことを、虐待と捉えられたから
いまの感覚からすれば言いがかりにすぎない
けれど、戦勝国に言われれば、それが戦争犯罪とされ、裁かれるのが敗戦国の民
特に末端の人々ほど、身を守る術もなく
せっかく生きて戻ってきた命が失われる
そんな理不尽な状況に
どんな手を使ってでも抵抗しようとする人々
けれど健太郎は
自分を偽っては生きていけないと
自分を貫く道を選ぶ
そして、
神社は人々を戦いのに送り出す場所ではなく、道行く人の心をなごませる小さな花であってほしい。
そんな願いを残った人たちに託していく。
高校生が演るには重い話
最初に上演作品の候補に上げた時も、
部内の反応はあんまり良くなかった。
上演作品選びの投票も、最初は圧倒的少数派。
それでもこの脚本に惹かれてプレゼン繰り返して
「ここまで推したから、あとはどの作品を演ることなってもうらみっこなし」
て、決選投票に臨んだら
先輩達が支持してくれて
半数以上の票を得てこの作品を演ることになった。
「なんでこの作品に投票してくれたんですか?」てきいたら
「この戦争を知らない子がいるって知ったから。」
作品のプレゼンをする中で
"日本がアメリカを筆頭とした連合国軍と戦争して負けた"
てことを知らない子がいた
自分は当たり前に知っていると思っていたこと
けれど人によっては当たり前じゃない
でも知っておかないといけないこと
だから演る
そうして取り組んだ作品
平和な高校生が演るには人生経験足りなくて
勉強も全然出来てなくて
特に自分は
いまから考えたら足りないものばかりだけど
あの時のメンバーの舞台すきだった
もしあの頃に戻れたら
もっと勉強して
試行錯誤して
想いを伝えたいな
そんなことをおもった夏の思い出