今年も人気の上野の深海展へ
そもそも深海って?
海の中で水深200m以上の深さ超えるところが「深海」
深くなればなるほど太陽の光が届かなくなって
圧力が増してくる
地上の気圧は約1気圧
1㎠に対して約1kgの重さがかかる
水中では水深が10m深くなるごとに水圧が約1気圧増すから
水深10mで約2気圧
水深100mで約11気圧
日本の有人深海調査船「しんかい6500」が潜れる6500mだと
約670kg/㎠の水圧
つまり
親指の爪くらいの大きさに軽自動車1台分の圧力がかかるような場所
そんな高圧で暗く冷たい世界には独自の進化を遂げた生き物がたくさん
深海の不思議な生き物たち
・デメニギス
透明な頭の中に大きな緑色の眼を持つデメニギス
ポスターやCMでこの夏よく見たアイツ
緑色の眼は普段は真上を向いている不思議な魚
上から差し込む光で獲物の影を見つけたら眼が正面に回転して獲物を捉えるらしい
生きた状態での捕獲例はまだなくて
映像と標本のみらしいから見つけたらニュース
・ダイオウグソクムシ
前回の深海展でも大人気だった深海のアイドル
一言で言うなら海の巨大ダンゴムシ
鳥羽水族館の絶食記録で話題になったあれ
生きてるのがみたいなら江ノ島水族館でも
http://www.enosui.com/animalsentry.php?eid=00031
・ダイオウイカ&ダイオウホウズキイカ
ダイオウグソクムシと並んで有名になったダイオウイカ
隣の小さなスルメイカと比べるとその大きさは一目瞭然
そんなダイオウイカ以上にレアな巨大イカがダイオウホウズキイカ
全長5m、体重500kgとダイオウイカより巨大
長い腕(触腕)の先に鋭いかぎ爪を持っていて、獲物にひっついてその身をえぐるらしい
海の中で出会ったら怖すぎる
ちなみにダイオウホウズキイカは南極海の水深2000m付近に住んでいるので見つかることもまれ
・熱水噴出孔(チムニー)付近の生き物
海底にはときどき地熱で温められた熱水が噴出する熱水噴出孔がある
その周りには噴出する液体に溶けた化学物質を求めて生き物が群がっている
・スケーリーフット(タマフネガイ)
深海生物好きの間で人気なスケーリーフット
ウロコに鉄をまとった不思議な巻貝
鉄のウロコを持っているのは黒いの(写真右)のみで、白いの(写真左)や他の地域で見つかった茶色いのは鉄のウロコを持ってない
不思議
・ゴエモンコシオリエビ
見た目は体の周りにふさふさの毛を生やした白いカニ。
ふさふさの毛にバクテリアを飼っていて
お腹がすくとそのバクテリアを食べて生きているthe自給自足なやつ
こんな不思議なやつらがうじゃうじゃしている深海熱水噴出孔はじつは地球の生命の起源?
生命の起源
①深海熱水起源説
深海の熱水噴出口で生命が誕生したとする説
実際に熱水噴出孔から原始的な微生物が発見されていて
38億年前から現在に至るまでに海底熱水活動があり
原始の生命が必要とするエネルギー源が持続的に供給できる場所として有力視されてる
他の生命の起源説としては
②宇宙起源説
生命もしくは生命のもととなる物質が地球の外から飛来してきたとする説
アミノ酸などの物質が宇宙空間に存在することが観測から確認されていること
隕石から有機物が見つかっていること
隕石が地球に落下する時の重力に耐えられる微生物が発見されていることから
候補の一つに
③陸上温泉起源説
比較的低温(100度以下)の温泉や間欠泉が陸上に噴出する場所で生命が誕生したとする説
そのような場所で温泉水が蒸発する時に単純な有機物が濃縮して複雑な有機物が形成されやすいことから候補の一つに
同じように宇宙でも熱水が噴出するところに生き物がいるんじゃないかと言われていて、土星の衛生「エンケラドゥス」に地球外生命体がいるんじゃないか?って話題になっていてこれからの調査が楽しみ
そんな不思議がつまった海は楽しむだけの場所じゃない
深海と災害
・3.11 東北地方の太平洋沖の深海底で発生した巨大地震。
日本という島は異なるプレートの間の上にある
あの地震はプレートの境界の断層の破壊と滑りによって起こった
地震によって日本の地殻は大きく変わり深海の底にも大きな亀裂が走った
地震のメカニズムの考察と深海で起きる巨大地震の謎解きはこれからも続く
まとめ
変わった生き物から、生命誕生の起源など不思議で楽しい発見と
この間の地震をあらためて考えた「深海展2017」
まだ行ってないけど気になるって方は10月1日までにぜひ。
金曜日の午前中に行ったので入場待ちなくスムーズに入れたけど、土日は入場待ちが60分を超えることもあるのでご注意を。
金曜日と土曜日は夜8時までやってます。